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「よもぎ」をつんで、天日干し

2023年7月10日 カテゴリー:教えて「せんねん君」

小暑(しょうしょ)になったね。日差しがつよくて気温も高い。
梅雨も明けるか開けないかの今どき、成長した「よもぎ」の葉っぱを摘み取りに行くよ。

新潟県糸魚川市の山間に入ったところで見かけた風景。
菅笠(すげがさ・日よけの笠)をかぶって、暑い最中、「よもぎ」の葉だけを集めて天日干しをしているところ。

日本でつくられる「もぐさ」のほぼ100%は新潟県でつくられているんだ。
まったくもって手作業だからたいへん!

あら、新潟県で「もぐさ」はつくられるの?
「もぐさ」というと、滋賀県の伊吹山のイメージがあるのだけれど?

かつて日本では伊吹山で「もぐさ」がつくられていたよ。
百人一首に伊吹山の「もぐさ」を詠んだ和歌があるのは知っているかな?

「かくとだに えやは伊吹の さしも草 さしも知らじな 燃ゆる思ひを」

平安時代中期の貴族で歌人の藤原実方(ふじわらのさねかた)さんが詠んだんだ。

百人一首は、飛鳥時代から鎌倉時代初期までの代表的な歌人百人の和歌を、一人一首ずつ集めて作られたと言われているよね。

最近、小学生たちが和歌に親しむ目的で、百人一首を教材に学んでいる様子が話題になっていたけど。

恋人に対するあまりに愛おしくて、心くるしい熱い思いを「もぐさ」とお灸にたとえた和歌。
昔の人は「恋わずらい」もお灸で治したのかな?

「もぐさ」と言えば伊吹山、「もぐさ」と言えばお灸、ということが、少なくとも当時の上流社会では常識だったことがうかがえるね。

数百年の時代の流れを経て、現在は新潟県が「もぐさ」の産地だよ。
新潟県の糸魚川市や上越市に「もぐさ」の製造工場があるんだ。

この地域で生まれ育つ「よもぎ」は「もぐさ」づくりにぴったりなんだそう。
日本海から吹く潮風や特有の地質など、気候風土が「もぐさ」づくりにぴったり合っているんだって。

糸魚川といえばヒスイやフォッサマグナで有名。

海岸ではヒスイの原石が見つかるって聞いたことがある!
ヒスイといえば勾玉(まがたま)。

新潟県も2000年以上の歴史があるお灸にふさわしい地域なんだね。
時代を超えた魅力を感じるなぁ。

野山はもちろん、家のまわりで「よもぎ」摘んで、天日干しをしてみよう!
今の時期だと、朝早くか夕方日が陰ってから。
適度な水分補給で熱中症予防をしっかりね。

これから夏休み!
小学生は自由研究に「もぐさ」づくりなんていいんじゃない?