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お灸特別講義 at あびこ助産師専門学校 ?

2020年10月12日 テーマ:学会

秋の香りがする季節となりました?
 
つい最近までは冷房なしでは過ごせなかった日でしたが、あっという間に季節が巡っていきますね。
 
密にならない空間では、マスクを外して深呼吸してみるのもいいかもしれません。
 
自然の空気をカラダにいっぱい取り入れましょう!
 
2020年8月17日(月)あびこ助産師専門学校(千葉県我孫子市)にて、せんねん灸セルフケアサポーター 山下知枝先生(千葉県)がお灸の特別講義をされました。
 
今回は「お灸特別講義 at あびこ助産師専門学校」と題しまして、レポートをお届けいたします。

 


 

あびこ助産師専門学校は、山下先生の母校であり、2009年(平成21年)に自然豊かな手賀沼を望む高台に「正常産は助産師の手で」を願い開校されました。今年度で12期生を迎えられたそうです。
 
2020.8.17①
 
助産師教育課程の教科書「助産学講座3 母子の健康科学」では「母子と補完代替医療」の項目があります。そこで「東洋医学」が紹介されています。
 
「助産師とお灸」…どのような繋がりがあるのでしょうか?
 
山下先生に、お話をうかがいました。
 


 
山下先生:
 
助産師と「お灸」ってどんな接点があるの?と思っていらっしゃる方が多いと思います。
 
私が入学した時に配られた教科書類の中に一冊の本(参考書)がありました。それは、「東洋医学」的なものではもちろんないのですが、妊産褥婦のさまざまなマイナートラブル(不快症状)に対する看護介入、ケアプランを中心に書かれていた本でした。
 
その本では各症状のページの下に、例えば「勇泉」「内関」「陰陵泉」等といったツボの名前が記載されていたのです。
 
当時、授業ではツボに触れることもなく、また、鍼灸師などの専門家から講義を受けることもなく、本に書いてあるだけの遠い存在でした。そのため、ツボの名前さえ読み方もわからず、ツボの場所もわからなかったといった記憶があります。
 
私が助産師学校に入学したのはもう10年以上も前ですが、実は、そのころから助産師教育の中に東洋医学とのつながりが見えていたのです。
 
本年度の教科書「助産学講座3 母子の健康科学」の中に「母子と補完代替医療」の項目があり、その中でしっかり『東洋医学』が紹介されているのです。内容も10年前とは比べものにはならないほど、「心身一如の医学」や「臓腑ー経絡経穴の医学」「治療手段」「胞宮と四脈」「病因論」等々といった専門的な内容も多く含まれていて、私もびっくりしました。
 
そして、私が今までにかかわらせていただいた病院やクリニックでは、「せんねん灸太陽」をお産の時に取り入れていたり、院内に併設の鍼灸院(室)があったりと、「お産」と鍼灸の距離がとても近くなっている印象を受けています。
 


 
助産師学生の教科書ということですが、鍼灸師顔負けの内容ですね。
 
それでは、講義の様子を見てみましょう。
 
助産師学生の皆様は、お灸に触れるは初めてです。
 
どのような印象を持ってくれるのでしょうか??
 


 
山下先生:
 
助産師教育において年々期待が高まる東洋医学の世界に、少しでも学生が興味をもってもらえれば良いなという思いを込めました。
 
2020.8.17⑨
 
新型コロナウイルスの影響下、講義会場は十分な換気と可能な限り学生間の距離を取って行いました。
 
テーマは「助産に役立つお灸教室」です。
 
「西洋医学(現代医学)と東洋医学」について、学生がイメージしやすいように《虫垂炎の治療》を例にその違いを説明したり、
 
東洋医学の代表的な治療法としてお灸と鍼(はり)を紹介した際、鍼の細さを学生になじみのある注射針や毛髪で説明したりしました。
 
そして『冷えは万病のもと』という言葉から、学生自身の体や助産師教育にかかわる内容へと進んでいきました。
 
現代医学では「冷え症」という病名はありません。しかし、女性の約60%が冷えを自覚し、さらに、自覚のない冷え症の方も多いことに触れ、妊娠と冷えの関係につなげていきました。
 
「冷えによる妊婦さんへの影響」「冷えによる胎児への影響」「冷えによるお産、産後への影響」と、冷えによりどんなことが起こるのか、東洋医学的にも印象づけられるよう「気・血・水」の三要素のめぐりを取り入れ、冷えによる影響がイメージしやすいよう工夫をして説明しました。
 
また、忘れてはいけないのが『未病』についてです。妊婦と未病の関係について、妊婦さんのマイナートラブルや妊娠、出産へ向けての体の変化に「未病」の考え方をあてはめて話しました。
 
妊娠が成立すると女性の体には様々な変化が起こります。胎児の成長に合わせ、血液循環量を増やしたり、胎児を育てるためにホルモンバランスが非妊時と大きく変わったり、また、お腹が大きくなることで腰痛や頻尿などなど、他にも沢山の変化が目に見えるところ、見えないところで起きているのです。
 
先ほど述べた「気・血・水」の三要素で考えても、妊娠するまでは女性が「人(ひと)」1人としてのめぐりを維持してきた状態から、妊娠が成立することで、自分の体内にもう1人の「人(ひと)」、つまり「赤ちゃん」のめぐりもあわせて維持するようになります。「赤ちゃん」の成長に合わせて母体(母親)が変化していくことによる負担がマイナートラブルとして感じられます。それらの変化に精一杯順応しようと、母体である母親は日々頑張っているのです。
 


 
山下先生の「助産師学生にお灸を伝えたい!」という熱い気持ちが伝わってきます?!
 


 
山下先生:
 
助産師に知って欲しいツボは「三陰交」です。「三陰交」はまさしく「女性のツボ」と呼ばれ、助産師と結びつく「ツボ」です。助産師は、出産だけではなく、女性の生涯にわたってかかわる仕事だからです。
 
2020-10-05 130235
 
2020.8.17④
 
体感、実感することでよりお灸に親しみを持ってもらえると考え、実際にお灸を実践していただきました。
 
学生2人でペアになって、まず、三陰交のツボを探しました。次に、お灸の前後で体がどのように変化するかを確認していただくため、お互いに前屈後屈の写真を撮ってもらいました。
 
お灸後の前屈後屈では、あちらこちらで、どよめきや笑い(びっくりしすぎての)の声があがっていました。受講していただいた助産師学生の皆さんは若い方が多く、人数も多かったたのですが、私が想像していた以上に目に見えて変化が出る方が多く、その変化を自分自身で実感して驚いたり、クラスメイトの変化を目の当たりにして驚いたりと、とても楽しそうでした。
 
お灸は「せんねん灸の奇跡レギュラー」を使用しました。学校の設備管理上、煙に対する配慮をしました。
 
お灸=火器を取り扱いますので、学校側との調整でもその点で説明と安全対策が必要となりましたが、学校長と理事長のご理解をいただき実施することができました。
 
学校からサポートをいただき、学生の皆さんが実際にお灸を体験していただけたことは次につながる感動、学びとして大きかったと思います。
 
自分自身でお灸の良さを実感しなければ、人に勧めることもできません。妊産婦さんにお灸をすすめるきっかけとしてとても良い経験となったのではないでしょうか。
 
2020.8.17⑧
 
最後まで、事故やケガもなく無事に講義を終了しました。煙が少ないタイプを使用したおかげで、実習室への匂い移りもほとんど気にならず、講義後にはいつもと変わらない実習室に戻っていました。
 
「未病」という考え方を知っていただいたことで、症状の有無にかかわらず、お灸でのセルフケアによって、「妊娠」「出産」「産後」における「養生」「予防」へとつながる大切なケアであること理解してをいただけたようです。
 


 
学生の皆さまも、お灸の効果を実感していただけたようでとても嬉しいです!?
 
せんねん灸のご愛用者の皆さまからも、「体にやさしいケアをしたいと思ったので、妊娠を機にお灸をはじめました」というお声をよくいただきます。
 
学生の皆さまが助産師になり、体にも心にもやさしいお灸をおすすめしていただけるようになると思うとワクワクします!
 
もっと、せんねん灸の輪が広がるといいですね?
 
せんねん灸では、日本母性衛生学会にも積極的に参加し、お灸の素晴らしさを伝える活動をしております。
 
お灸にご興味のある助産師、助産学生の皆様はぜひお問い合わせください!