神戸東洋医療学院こうべとうよういりょうがくいん
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せんねん灸セルフケアサポーター早川 敏弘
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- JR三宮駅
- 兵庫県神戸市中央区三宮町1丁目9番1号 センタープラザ14階
・お問い合わせ078-333-1557
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灸には、皮膚の上で直接、モグサを燃やす「直接灸」と、せんねん灸のような「間接灸」があります。わたしは両方、使っています。
せんねん灸のような「間接灸」の優れたところは、チクっとした痛感がなく、フワーとした温感のみがあり、灸に恐怖心をもっている初めての方でも施術できるところです。東洋医学では、「虚証(きょしょう)」という体の弱った状態では、せんねん灸のような穏やかな温感は「補法(ほほう)」になります。西洋医学的にも、TRPV受容体を刺激し、ヒートショックタンパクができることで免疫を調整する作用があります。ガンの手術や抗がん剤の副作用などで身体が弱った状態には、フワーとした温感の間接灸が良いと思います。また、うつ病や自律神経失調症などの精神神経症状のある方も痛みに過敏な状態の方が多く、間接灸が向いていると思います。
「直接灸」で、わたしは「麦粒大の六分灸」「半米粒大の八分灸」「糸状灸の透熱灸」の4種類を愛用しています。「麦粒大の六分灸」はフワっとした温感のみで虚証の患者に用います。半米粒大の八分灸は「胃の症状」への「胃の六つ灸」や、麦粒腫への合谷の八分灸の多壮灸で使います。
2023年12月1日、昨日、鍼灸初学者の方に深谷伊三郎創案の「竹筒灸」を教えました。
ふだんは、半米粒大の八分灸や糸状の透熱灸を教えています。八分灸は、フワっとした温感とチクっとした痛感の両方があり、東洋医学的には経絡を温めながら通じさせます。補法と瀉法の両方の要素を兼ねているので、熟練すると使いやすく、たとえば、胃の症状に対して「胃の六つ灸」すると、かなり難しい胃の症状がとれます。しかし、技術的難易度はもっとも高いです。糸状の透熱灸は灸熱緩和の方法の技術的難易度がさらに高くなります。
また、「肩こり」や「腰痛」のような最も多い愁訴に対して、八分灸や透熱灸は、浅いコリや痛みはとれますが、深いコリや痛みは苦手です。竹筒灸は筋肉の深いところの硬結・圧痛をとることができます。コツとしては、親指の重さでゆっくりと押し(漸増)、2秒ほど持続し、ゆっくりと圧を抜きます(漸減)。この指圧と同じ、漸増・持続・漸減が気持ちの良い「灸の響き」を出し、臨床効果と関連します。なによりもメリットは「灸の反応の変化」が鍼灸初学者の方でも、わかることです。
最近、「奇穴」を調べているのですが、ものすごく面白いです。例えば、「失眠」というツボは、踵の中心にあり、よく使われるツボです。わたしはお灸の初心者に透熱灸を教える際には、かならず「失眠」のツボにお灸させます。理由は、足の踵の皮膚は分厚いし、痕が残っても見えないし、1週間から2週間で痕もなくなるからです。症例でも多く「失眠」では灸が使われています。ところが、調べると、中国では鍼が使われており、しかも、もともとは明治時代の日本の木田先生が使っていたツボと知ってビックリしました。「華佗夾脊穴(かだきょうせきけつ)」という奇穴も、鍼しか使わないイメージでしたが、調べてみると、初期はお灸のツボでした。「上迎香」という奇穴も鍼のツボと思っていたら、初期は灸で使われていたようです。そこで、思ったのは「鍼が向いているツボ」と「灸が向いているツボ」もあるなということです。督脈なんかは灸が向いているツボばかりだと思います。奇穴は特に、お灸しか使わないツボが多い印象があり、これから研究していきたいところです。
2023年5月9日『コクラン・システマティックレビュー』
「骨盤位の灸による頭部回転」
Cephalic version by moxibustion for breech presentation
Cochrane Database of Systematic Reviews
Version published: 09 May 2023
現在の医学の世界はエビデンス・ベースド・メディスン(EBМ)がゴールド・スタンダードであり、その最高峰といえるのが、1992年にできたコクラン共同計画です。2023年5月9日に、その『コクラン・システマティックレビュー』が更新され、灸は「骨盤位(逆子)」に対して効果があるという「中程度の確証度の証拠エビデンス(moderate-certainty evidence)」があると結論されていました。
わたしは、よく海外の鍼灸の研究を読みますが、確かに至陰の灸による逆子の治療は、しょっちゅう行われています。わたし自身も試して、かなりの効果があります。リスクも少なく、ぜひ、一般の方にも知られてほしいと思います。
鍼灸専門雑誌『Tehamo』6号(2023年2月28日発売)に、早川敏弘著「私の訪問治療のスタイルとこれからの訪問治療」という記事が掲載されました。この中で、訪問治療における、わたしの灸治療が載っています。白血病患者さんの抗がん剤治療の際の足のシビレや喘息患者さんの喘息症状をスモークレス棒灸で治療した症例や、「煙の出ない灸せんねん灸の奇跡」を患者さんにセルフケアで利用していただいていることなどが内容です。訪問治療でも、わたしはお灸を使います。においと煙の問題はスモークレス灸の利用という工夫によって克服しています。また、わたしが働いている鍼灸治療院では、煙の問題を高機能の空気清浄機の使用によって克服しています。わたしの治療システムにおいては、灸のみで鍼を使わないことのほうが多く、鍼のみで治療するほうが珍しいです。患者さんにお灸の良さをしっていただき、患者さんのほうから「お灸してほしい」と言っていただけることが何よりウレシイです。
鍼灸院名
神戸東洋医療学院
せんねん灸セルフケアサポーター
早川 敏弘はやかわ としひろ
関西医療学園専門学校卒業。
鍼灸師。あん摩マッサージ指圧師。
兵庫県介護支援専門員(ケアマネージャー)。
鍼灸院名 | 神戸東洋医療学院 (こうべとうよういりょうがくいん) |
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住所 | 〒650-00210021 兵庫県神戸市中央区三宮町1丁目9番1号 センタープラザ14階 |
アクセス | JR三宮駅 |
TEL | 078-333-1557 |
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