様々な「頭痛」がありますが、特に首肩こりからくる「緊張性頭痛」にはお灸をすることがあります。

首肩こりが原因ですので首肩は鍼・お灸ともに施術ポイントとなります。

それでも取れない頑固な頭痛では、痛む場所に直接お灸をします。ほとんどの場合、頭髪に覆われている部分に痛みを感じていますので、髪をかきわけてお灸をします。

ここに関しては、せんねん灸などの台座灸はむつかしいです。

もぐさを直接頭皮におき、お灸をします。直接灸です。

耳の上のツボ「角孫」周囲には、指でなぞるとボコボコした側頭筋の慢性的なコリが認められます。

それらに直接お灸をすると、一瞬の熱さはそれなりにあります。鍼や手では取れにくいコリが、その場で変化することは珍しくありません。

もぐさを直接燃やす、直接灸の効能を実感する瞬間ですね。

「過活動膀胱」を訴える患者さんは意外と多いのだなあと最近実感いたします。そして「冷え性」を伴っていることが多いようです。

全てが鍼灸でうまくいくわけではありませんが、
ご自宅ではお灸が効果的に思えます。

いわゆる「三陰交」「太谿」「関元」「中極」などは患者さんご自身でもお灸をすることができるツボです。

そして可能なら「次髎」「中髎」などの骨盤部のツボにお灸をしてもらうのがお勧めです。

そしてショートソックスなど、くるぶしが外気にあたる服装は避け、冷えを防ぐのが肝要です。

「リラックスできるツボ」はありますか？

このように患者さんから尋ねられることがあります。

「神門」「内関」「合谷」など、その方のタイプに応じて

ツボの紹介をします。

「お灸」そのものの効果ももちろんですが、

灰皿を用意し、線香に火をつけ、お灸に点火する。

もぐさの香りを楽しみながら、お灸の温かさに触れつつ、

休むこと。

そして、「お灸をする時間」を確保すること。

このような一連の行為が、リラックスにつながるのだと思っています。

お灸の消火を確認した後は、引き続きゆっくりなさることを

お勧めしています。

　眠れないことで、お困りの方は少なくありません。

眠れないことで、集中力の低下、疲労感、また不安なども生じます。

昔からよく使われる「神門」という手首のツボは不眠に対する定番のツボですが。

それでも難しい場合、手の「合谷」、足の「太衝」「足臨泣」に2週間を目安に毎日お灸をすることをすすめています。

ツボの効果もありますが、手足、つまり「四肢」の皮膚温度を上げることで不眠に対して改善傾向がみられたデータもあります。

足が冷えて眠れない方には「失眠」という踵のツボが有名ですが、これも足が温まることで眠りを誘う効果があったのかもしれません。

「四肢」をあたためる、これを意識してみてください。

機能性胃腸障害、機能性ディスペプシアなどと呼ばれるみぞおちを中心としたお腹の症状のことをいいます。主に胃もたれなどの不快感があり、食欲不振などがでてきます。画像所見では異常がみとめられません。

症状がある間は喫煙やアルコール、高脂肪食などを避けていただくことをすすめています。

来院される患者さんはお薬（西洋薬、漢方薬）でうまくいってない方が多く、肩こりや腰痛ほどではないですが、時おりこの症状で鍼灸治療を希望されます。

背中やみぞおちが硬くなっており、鍼も使いますが、お灸を使うことが多い症状です。

熱いお灸よりも柔らかいお灸を多用します。

長期にわたって症状で苦しんでいる方が多いせいか、頸肩や頭に緊張がみられます。

食欲不振の方は、治療が進むたびに食べられる食品の種類や数を増やしていっていただきます。食べられるようになると、自信もついてきて、さらに改善傾向となります。

この症状の方々はご自宅でのお灸をまめになさっていただける方が多く、そのせいもあり、治療を重ねていく毎に、ゆるやかに改善される傾向があるように思えます。

背中のお灸はご家族の協力が必要かもしれません。