ふしぎ堂ふしぎどう
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せんねん灸セルフケアサポーター村橋 健三
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- JR三鷹駅北口より徒歩2分
- 東京都武蔵野市中町1-22-2グランプレオ武蔵野105
・お問い合わせ0422-53-2266
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既報のコロナ後遺症の患者さんは順調に回復途上にあり、20ほどあった症状も半分は消失し、残りも軽度に。ところが「クラッシュ」という、突然悪化して症状が治療前の状態に戻ってしまいました。外出も、出勤もできません。順調に回復していく思っていた会社の人もショックを受けました。体調を気遣って支援してくれていた上司も、一体いつになったら通常の勤務ができるようになるのかと。1か月ほどで勤務に戻れましたが、業務の継続性に疑問を持たれるようになってしまいました。
原因はほんの少しのオーバーワーク、「議事録作成」でした。記憶障害や感覚異常は正常に戻りましたがまだ脳の機能が充分回復しておらず、作業の負荷が高かったようです。
現代医学では有効な治療法がない中で、鍼灸でここまで回復できたことは奇跡に近いのです。ただ、体調が回復してくれば本人もやる気が出て「もうちょっと」とつい限度を超えてしまうのは責められません。ただ、この病は限度をほんのちょっと越えただけで「クラッシュ!」となってしまいます。
トラック運転手さんが「安全速度厳守 お先にどうぞ」と掲示している感覚で業務に向かいましょうとアドバイスしています。
K子さんは86歳。現在当院に通院されている娘さんに付き添われて来院されました。娘さん家族とは少し離れたところで独居生活をされています。右ひざが歩くと痛む、じっとしていれば何ともない、とのことでした。ご本人はあまり気にしていないようでしたが、娘さんが「以前のように外出しなくなったので、このままでは足腰が弱ってしまうのではないか」と心配されていました。
治療は鍼と灸の両方用いました。まず鍼で体調を整えた上で、膝はお灸で治療を行いました。歩くと痛む場所を教えてもらい、その部分に細くひねった「糸状灸」をすえます。毎週1回の治療で5~6か所、大体5~9壮程度行いました。日によって痛む場所は移動しますので、都度、丁寧に聞き取りながら施術していきます。熱く感じ始めるまで灸をすえていきますが、20壮を越えても熱さを感じないことも度々ありました。
当初は3日程度経過すると痛みが戻ってしまっていましたが、2か月続けた現在は、治療の前日まで痛みを感じない状態にまで改善しています。
本来は、「千年灸」でご本人がご自宅でできればよろしいのですが、娘さんが「高齢者の独居者なので」と治療院での施灸を望まれました。
東洋医学的に、この患者さんの「不安神経症・適応障害」は気血を作る力が不足して生じるタイプなので、気血を補う治療で症状が改善されるけれど、治療を中断すると気血不足が生じ、再発していまいます。案の定中断してし、悪化させました。
その後の治療継続で、症状は改善されつつあり、自覚症状も少ないことから、治療頻度も週1回から隔週1回に減らし、経過観察と滋養強壮に重点を置くようにしました。
「八邪」の糸状灸治療に興味を示したので、「自分でできるお灸」として千年灸をお奨めしました。「中脘」と「足三里」のほかいくつかのツボをご紹介し、何回か試してもらいました。当初の感覚としては「心地よい」というものでした。治療ではなく、養生の灸なので続けることが大切、「ちょっと物足りない」程度でも効果がありますとアドバイスさせてもらいました。
すると、それまであまり変化のなかった「脈や舌の状態」が目に見えて改善してきました。それらは「体の中心部の状態を表す」と考えられています。本人の体の中で気血を生み出す力が回復してきていると思われます。
養生のお灸が「不安神経症・適応障害」といった精神疾患にも効果があったというご報告でした。
新宿漢方クリニックの川並先生から30歳のKさんのご紹介を受けました。20代の中頃から緊張して人前で話すことが苦痛になり、不安感が強まってパニックを起こしそうになるそうです。診断書には「不安神経症・適応障害」とありました。特に暑くなる夏場に悪化するようです。
中国医学で診ると、Kさんは気血が不足傾向にあり、仕事上の肉体疲労と、失恋という精神的ショックが重なり発症したと考えます。「三焦鍼法」は高齢になり気血が衰弱して発症する認知症に有効ですが、若年でもKさんの様に気血が極端に不足した症状にも有効だと考えました。
治療開始から4か月後にはほぼ症状は消失。さらに治療を続けて「体質」強化すべきところを、本人は治ったと思い込み来院しなくなりました。2か月後、「熱いサウナに入ったら、突然不安感が生じてきた」と来院されました。「体質を強化しないと、症状は再発します」説明。ただ、長時間(60分~)の治療が苦手とのことなので、自律神経の改善のための「八邪穴(両手指の間のツボ)」への糸状灸と「三焦鍼法」のみとして時間の短縮を図りました。今夏は「暑い夏」との予報が出ていますが、現在経過は良好に推移しています。
コロナ後遺症にお灸と「三焦鍼法」という鍼治療が有効だというご報告をさせていただきました。ただ、治療にはお時間が必要です。昨年10月に初診の患者さんは、週1回の治療で順調に回復していき、最近やっと職場復帰のプロセスを始めましたが、ここまで来るのに10か月を要しました。
この病のやっかいなところは、発症時の症状が多岐にわたり、どの診療科目を受診すればいいのかの判断がしづらいところです。精神科、脳神経科、内科、整形外科…。コロナの後遺症とわかるまであちこちの病院を渡り歩くき、「コロナ後遺症」とわかるまで時間を要する方が多くおられます。
また、回復までに時間がかかる上、回復したと思われても、時間が経つと再発する方もおられるようです。さらに、これまでなかった気圧の変化で体調が悪くなる「気象病」や「婦人科疾患」、ストレスや疲労への抵抗力も低下傾向になるなどの「体質の変化」も生じてくるようです。
鍼灸治療は、「症状の改善」と「体質強化」の両方を同時に行っています。症状を抑えつつ、治療後の体質の弱体化にも備えることができ、コロナ後遺症の治療に適していると考えています。
鍼灸院名
ふしぎ堂
せんねん灸セルフケアサポーター
村橋 健三むらはし けんぞう
2003年 早稲田鍼灸専門学校入学
2005年 中国浙江省中医薬科大学研修
同年 米国南カリフォルニア大学解剖実習
2006年 早稲田鍼灸専門学校卒業(国家資格取得)
同年 中国上海中医薬大学留学
2007~2010年 目白温香堂勤務
2011年 当地に「ふしぎ堂」開業
鍼灸院名 | ふしぎ堂 (ふしぎどう) |
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住所 | 〒180-0006 東京都武蔵野市中町1-22-2グランプレオ武蔵野105 Google マップで見る |
アクセス | JR三鷹駅北口より徒歩2分 |
TEL | 0422-53-2266 |
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